プエルトリカン系で、ハーレムで育った生粋のニューヨーカーの彼女は、ニューヨークについての曲を複数作っているのだけれど、その中でも特に、特にニューヨークのスパニッシュハーレム / ラテン系コミュニティへの愛を感じる曲"Soul Food y Adobo"をチョイス。
一発目のメロディから、もうニューヨーク。
コーナーにあるデリ、花屋、ランドリー、各国料理のレストランに移民の話す外国語、多種多様な人種のニューヨーカーたち。そんなマンハッタンのストリートをぐんぐん歩いていく情景が思い浮かぶ。
"I love that soul food, adobo
A little mixed with sancocho"
とサビから聞き慣れない単語が並ぶが
adoboもsancochoも、ラテンアメリカの家庭料理の名前で、プエルトリカン系の家庭で、ラテンアメリカ系移民の多いイーストハーレムで育ったプリンセスノキアにとっては地元の味。
イーストハーレムは、90年代に大変物騒な地域として知られていて、ニューヨークに慣れた人でも夜一人で行くのはあまりおすすめしない場所だが、それでも今は安全になったらしい。
私も、ニューヨークに来た当初出会ったプエルトリカン系の女の子に連れられて、夜スパニッシュハーレムことイーストハーレム116丁目でプエルトリカン料理を食べたことがある。
友人のおすすめでバナナのフライやあと数点を食べて、味がおいしいかどうかは正直分からなかったけれど、お世辞にもきれいとは言えないローカルの店で、初めて会った地元のラテン系のにいちゃんや店員も会話に加わって来たりして、ほっこりした気持ちになったのを覚えている。ラテンアメリカ系の人々は、人情深くて、とても温かい。
そんな経験もした関係か、その後プエルトリカンやドミニカン系の住民が多いブルックリンのサンセットパークに住むことになるのだけど、近所のスーパーには、スペイン語のラテンアメリカの音楽がガンガンかかってて、トルティーヤや中南米系の食材が豊富だし、店員もスペイン語で話しかけてくるような場所だった。
そんなラテンアメリカ系のニューヨーク文化に浸りきった私には、この "Soul Food y Adobo"は、まさに私の思い出を掘り起こすような曲で、何度でも聞きたくなる特別な1曲だ。
That Café Bustelo
With milk and sugar to mellow
Know some Caribbean fellows
That get you pregnant by hello
That baby shower, that party
That quinceañera get started
The titis got you, don't worry
So don't you leave in a hurry
カフェ・バステロ*
ミルクと砂糖で甘くしたコーヒー
カリブ系の顔なじみたち
ハローって挨拶一つであんたを妊娠させちゃうような男たち
ベイビーシャワー、パーティー
キンセラネェーラ*が始まる
あのお猿さんたちあんたを手に入れた、心配しないで
でもね、早めに立ち去った方がいいと思うんだ
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補足情報
カフェ・バステロ*
イーストハーレムにあったキューバスタイルのコーヒーを出すカフェで90年の歴史を持つ。ラテンアメリカ系移民のコミュニティにとって重要な憩いの場でありアイコニックな場所の一つ。
キンセラネェーラ*
15歳になった少女をお祝いするラテンアメリカの儀式。
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