2018年9月29日土曜日

”NYC Bitche$”のニューヨークソングとしての正確さ



映画『オーシャンズ8』を観に行って、ケイト・ブランシェットやリアーナの格好よさに完全にハートを奪われてしまったけど、最後まで尾を引いたのは、ニューヨーク出身のイカサマ師役を演じた中国系アメリカ人の女の子だった。


調べて見ると、役と同じニューヨーク・クイーンズ出身で、Awkwafina(アクワフィーナ)という芸名でラッパー兼女優をやっているということが判明。

なんと今年最大の話題作の一つ"Crazy Rich American(邦題: クレイジー・リッチ!)" にも主人公の友人役で出演している!

Youtubeで探ってみた時に見つけた曲の一つが、この"NYC Bitche$".


 アトランティック・アベニューにあるバークレーセンター。プロスペクト・パークに、ブッシュウィック、レッドフック。私が歩き回っていたブルックリンのよく知る地名が出てきて、聞いているだけで懐かしい。

ただ歌詞を聞いていると分かるが、アクワフィーナのニューヨーク生まれのローカルから見た今のニューヨーク、お金持ちや田舎から出てきたヒップスターばかりが住むようになり、観光地した”ニューヨーク”に対する皮肉が激辛で、そこに加担していた外国人の1人である私としては、かなり胸が痛い。

"The skinny ones are artists, it's obvious they starving
Your shit art don't pay bills it eats Ramen"
(あの細っこいのはアーティスト達。明らかにお腹空かせてる。あんたたちのくそアートは請求書払えないで、ラーメンに消えてる)

でもそれも込みとしても、中国系アメリカ人の多いニューヨークで、地元出身の女の子が、自分のルーツやアジア系アメリカ人への偏見をネタにラップしているところが小気味よく、彼女の完全に酒焼けしたとしか思えないしわがれた声も最高だ。

"Don't drop the subway map, bitch
If you drop the subway map, we're never gonna get outta Queens"
(地下鉄の地図を落とすんじゃないよ。もしそんなことしたらあんたは一生クイーンズから出れない)

これは、Jay-Z ft.Alicia Keys "Empire State of Mind" よりもよっぽどリアルなニューヨークの姿で、NYCが押すべき現代のツーリズムソングです。

("Empire State of Mind" は、2人の天才ネイティブニューヨーカーが創作した”最高にキラキラした田舎者憧れのニューヨーク”であることは誰もが知っているが、でもこの曲はこの曲で最強のマンハッタン・ツーリズムソングであることは間違いない)



2018年9月28日金曜日

NPR Music Tiny Desk Concertが最高のYoutubeチャンネルな件

NPR Musicのディレクションは一体誰がやっているのだろう、といつもこのYoutubeチャンネルのキャスティングには、舌を巻く。

最新版は、エリカ・バドゥ。あの時の名曲を、変わらぬ声と奇抜な格好で歌い上げる。



ロンドンのアリシア・キーズと私が勝手に呼ぶJorja Smithも、最近惜しくも亡くなってしまったMac Millerも、CommonもChance The RapperもAdeleもこの小さな机の上で完璧なギグを行ってきた。



特にMac Millerのは、彼の音楽へのピュアな気持ちが溢れ出ていて、ただただ楽しい。
ライブというより、もっとリラックスしたプロの学芸会。
 彼の言うところの"Music is a beautiful thing" !

2018年9月25日火曜日

ガネーシャと宗教と環境問題と

インドで祭りがある度に、環境汚染の問題がニュースフィードに上がってくるのはもう飽きた。

祭りが地球規模災害まで発展してしまうところが、人口の多いインドらしいっちゃインドらしい。



最近話題になったのが、このヒンドゥ教の神様ガネーシャのお祭りのニュース。
Ganesh Chaturthiとも呼ぶフェスティバルは、学問の神の異名も持つロード・ガネーシャの生誕を祝う祭りで、だいたい8月か9月に10日間にも渡って続く祭り。

今年は9月13日から行われた模様。
この半分象、半分人間の象人間ガネーシャは、一見、いやまじまじ見ても結構奇妙で怖い感じなのだが、インドの1000以上もある神様の中では、ダントツの人気を誇っていたりもする。

で、この祭りでは、ココナッツやお香、お花なんかのお供え物と、フェスらしくガネーシャの像を神輿のようにして担いで散々祝った後、クライマックスは、フェスのアイドルガネーシャ像の本体をなぜか海に沈める。

今回問題になったのは、その海に沈めたあとで。
岸に大量の魚や亀の死骸が打ち上げられたことだ。

原因は、ガネーシャの像本体に塗りたくられていた装飾に含まれる、有害な水銀や鉛などの物質。

大量の魚や亀の死骸が見つかったあと、人の手で、海に沈められたありえない量のガネーシャ像が一個一個運び出される光景は、とてもシュールであった。

インドは、前から空気汚染やら水の汚染やら、ゴミのポイ捨てやら、環境汚染のデパートであることは否定できないのだが、これが宗教の儀式と結びついているのが厄介で。

宗教は、インドの大部分の人口を占める貧しい人にとって、心の拠り所であるし人生の一部なので、外野が「環境に悪いからやめろ」と言ってすぐやめられるものでもないし。

最近は、インドのとても頭のいい若者たちの中で、環境問題への関心が高い人が続々と現れ初め、色々な取り組みや起業も生まれているけど、貧困と環境問題は切っても切れない関係で、13億人もの多様性を持った人たちの行動を変えるには、とてつもない時間と忍耐がいる。

…とまあ、すごく真面目な語りになってしまったけど、実際、メッキの剥がれた、薄汚れたガネーシャ像が海に沈んだり、汚染の元になったゆえ一体一体運び出されたりする写真を見て、めっちゃおもしろいと思ってしまった。

いや、実際、水銀が海に流れ出してるのは恐ろしいことなんだけど!

あの写真があんなに面白く感じなければ、私はこの話題に興味を持つことはなかったんだよ。

Source: AP

これがガネーシャ祭りのクライマックスです。


Source: Mumbai post Ganpati Visarjan

バシャーン

Picture: EPA/NATHAN G

すくっと

ゴミと化しても最後まで尊厳を失わない姿は、さすが神…
こんなん書くとヒンドゥを馬鹿にしてるって怒られそうだな。

インドの宗教は端的に言っておもしろいです。

2018年9月24日月曜日

インドに行っても人生は変わらない

ムンバイのスターバックス

「インドに行きたいんです」と言うと、まるでこれまでの人生観を180度変えたいか、ヨガ修行に出たいか、”自分探し”をしたい迷える人かのように捉えられるのだが、いやインド旅行は、もはや人生を変える旅なんかじゃない。

スターバックスも、Free Wifiも、UberもUber Eatsもあるインドは、少々のお金さえあれば、大した苦労をせずに旅のできる場所である。

ムンバイのJuhuにあるカフェ

よほどのローカルの店や村でない限り、英語が通じるしクレジットカードが使える。レストランでは英語メニューもある。

「お腹を壊しそうで怖い」

と言うのが、外国人にとってインド旅行でもっとも気にするポイントだが、一皿20円〜50円程度の露天で売っているような非常に安い食べ物や、水道水を口にしない限り、むやみに怖がることではない。

ちなみに、私はニューヨークで幾度となく、ベンダーの売っているストリートフードやレストランでのご飯、カフェで頼んだラテでお腹を壊したことのある胃腸の弱い人間だが、インドではお腹を壊すことはなかった。

アムリットサルのホテルで出されたウェルカムジュース。なんの飲み物…。

牛乳系はすぐお腹を壊すので、ラテやヨーグルト、アイスはは一切口にしていなかった私だが、恐る恐る飲んだインドのカフェチェーンのチャイでさえ、全く問題はなかった。

運がよかったのか、そこそこ中流の定食屋に足を運んでいたからか、ペットボトルの水以外、レストランでは口をつけなかったのが幸いしてか分からない。

ただ、お腹を壊す人は、イタリアの水道水でもお腹を壊すし、ニューヨークのお洒落なカフェで出されたラテや、東京で食べるそこそこいい肉でもお腹を壊す。

衛生面に関しては、東南アジアやヨーロッパ旅行で気をつけるべきことを気をつけていればいいと考えるのが、私の持論である。

ニューデリーのカフェ

余談であるが、インドの国民の半数以上が占めるヒンドゥ教徒、その次に多いイスラム教徒は、宗教上、衛生面に非常に敏感である。

自分の体や身の回りを清潔にしておくことは、宗教上の教えでもあるので、変な話、インドではトイレの個室に一つずつ小さなシャワーがついているのもそのためである。

用を足したあと、紙でふくだけではきれいにならない、不潔であると考えるため、必ず水で洗わなければ気がすまない。また使うハンドソープの一回の量もものすごい。

ただ、水で洗ったあとのことは気にしない人が多いのか、トイレの床はびちょびちょであることが多いので、それはそれでどうかと思う。


話が脱線したが、インドのムンバイやデリーは、思った以上に普通の旅行ができる都会である。

旅行者が一番苦労する点としたら、縦横無尽に車やオートリキシャーが行き交う道路を、信号なしでタイミングを見計らって渡りきらないといけないことぐらいか。

あれは、慣れない人にとっては恐怖だが、慣れるとどの国の道路でも渡りきれる自信がつく。



人生は変わらないけど、行った後、なぜか生きるスキルが上がったような気になる場所。それがインドだ。

2018年9月23日日曜日

ニューヨークのファッションが10代の私に教えてくれたもの



誰かが指摘するあなたの欠点は、チャームポイントであると教えてくれるTom Fordのファッションショー。

女性の数だけ美しさがある、価値があると教えてくれたのは、いつだってアメリカやロンドンのファッションで、10代の私がそれらの文化への憧れを信じ続けたのは正しかった、と30代の今になっても思う。

20代半ばになったらおばさんだとか、大人になっても可愛くいなければいけない、とか、痩せていないと美しくないとか、全て信じなくていい。

個性を美しさととらえる環境に、この先絶対にたどり着けるから。

自分の価値を信じよう。

2018年9月21日金曜日

【SAVAGE X FENTY】リアーナが2018年ファッション界にもたらしたもの

2019春夏コレクションより。
リアーナによるSAVAGE X FENTYが革命すぎて、未だ興奮が冷めやまない。

Bad girlによるBad girlのためのBadな下着。
「愛してるリアーナ!」
とブルックリン中の女性が悲鳴を挙げたに違いない。
#Metooムーブメントのシリアスさやその後のスキャンダルの応酬にアメリカ中が少し疲れ切っていた中、リアーナは堅苦しさも過激な主張もない最高のクールさで「全ての女性には価値がある」と表現して見せた。

そこが最高に格好いい。

今回のSAVAGE X Fentyの初コレクションでは、ダンサーやストリートキッズを起用し、熱帯植物園のような空間でのコンセプチュアルなパフォーマンスが話題にもなった。


また、大きなお腹を抱えモデルとして出演したスリック・ウッズが、実はこのショーの間中陣痛に苦しんでいたこと、このショーの終了後まもなく男の子を出産したことも大きな注目を集めた。

このショーでは、あらゆる肌の色や人種、体型のモデルを起用したところに、Fenty Beautyから一貫して変わらない、ファッションと女性のあり方へのリアーナの強いメッセージを感じる。しかもモデル全員がヒップスターでバッドガールなところがいい。



全ての女性が自分の肌の色にあったファンデーションを見つけられるように、というリアーナのメッセージが込められたFenty Beauty by Rihannaのファンデーションはアメリカで大ヒットを飛ばした




FENTY BEAUTY BY RIHANNAさん(@fentybeauty)がシェアした投稿 -
新しいプロダクトが発表になるたびに店頭では売れ切れ必須

自身が手がけたコスメラインFenty Beautyの大爆発的ヒットもさることながら、ファッションと時代を読み取るセンスが高すぎて、最近はヒットメイカーとして神がかっているレベル。

最近は「オーシャンズ8」など映画でも女優として活躍していて、人気ベテラン女優に混じって、キャラ立ちしたストリートスマートを演じ、天性のバッドガールさがここでも光っていた。

どこまでクールなんだリアーナ。

正直、私自身Fenty BeautyやPUMA by Rihannaのコレクションを見るまで、リアーナを時代に乗ってヒット曲を飛ばしている一歌手という認識しかなかったのだが、彼女のプロデュースするものを見てから、歌にも興味を持ち、なぜ彼女がこんなに注目を集める存在なのかがわかった。

正直歌だけだったら他にも上手な人は山ほどいると思うが、リアーナは、恵まれた容姿とセンスを含めリアーナとしての個性が他のどんなに歌の上手い歌手より圧倒的なのだ。

彼女がステージに出てくる、ダンスをする、歌を歌う、言葉を発する。

その全ての一挙手一投足が一流のエンターテイナーとして欠かせない個性と存在感を放っていて、目が離せなくなる。

リアーナの際立ったキャラクターは、このVogueの作ったメイクアップビデオでチェックして。


愛さずにはいられない!

インド旅行楽しんでない組と楽しんだ組

ムンバイにある美術館Chhatrapati Shivaji Maharaj Vastu Sangrahalaya

デリーの観光地コンノート・プレイスをぶらついていた時、その旅初めての日本人観光客とすれ違った。

30〜40代くらいの女性2人。腕には日焼け対策のアームカバー、帽子、首にスカーフにマスクと完全なる日焼け・公害対策。

インドで女性は肌をあまり晒しすぎない方がいいという文化を尊重した結果なのかもしれないが、むしろその2人の出で立ちから感じたのは「私たちはもうこの国の空気・匂い・人全てをシャットダウンしたいんです」と言う拒絶感。

それよりもその2人が私にとって大きな印象を残したのは、すれ違い様に耳にした会話だった。

その2人は、インド旅行にすでに疲れ切ったようで、相当参った経験をしたのか、「汚い、臭い、もういやだ」といった愚痴を、あの日本人女性特有の甲高く語尾の長い声で発しあっていた。

正直、目の前に同じ日本人観光客が歩いてくると思わなかったのか、知っていても全く問題ないのか知らないが、海外旅行で自分と同じ国から来た赤の他人の愚痴を聞くのは気分のいいものでない。

海外旅行は、確かに常に楽しい事ばかりではないかもしれないが、他人の家(国)でその国の悪口を吐くくらいだったら、来なかったらいいのにと思う。

あなたたちは何を期待してインドへ来たのですか?
ゴミ一つない町並?新鮮な空気?

いや百歩譲って愚痴くらいはいいが、ホテルの部屋とか他人に聞こえない場所でやって欲しい。それかせめて自分の国に帰ってから。どうせ短期間の旅行なのだから、その間くらい楽しもうぜ。

でもまあ、インド女二人旅は、インド女一人旅よりよっぽどストレス溜まりそうなので、そこには同情する。色々気遣いあったりするしね。愚痴を言い合うことで、なんとか長旅で生まれた2人の間の緊張感を和らげるっていうこともあるし。

それでも、外国でその国の人が理解できないと思って、公共の場で自国語で悪口を言いまくる姿は、私にとって数少ない嫌いなものの一つである。

実際にその国に住んでいて、色々経験した上で、文句があったり愚痴を言うのは分かる。
ただ、たった数日〜2週間くらいの旅行で、他国の悪いところだけ見て帰るのはどうなのか。

悪口って、それが外国語であっても感じる人は感じるものだ。なんか悪意あること言ってる雰囲気だなって。

そんな愚痴をその国の人たちがいる前で吐きあっている集団を見ると、外国人である私でさえ、じゃあ自国へ帰れよと言ってやりたくなる。

ゴミ一つ落ちていない道や地下鉄、安くて美味しいファストフードに魅力を感じるならば。

美術館の前の通り

その2人と対照的に、帰りのデリー〜香港〜関空便の飛行機内で見た、関西のおじさんおばさんツアー客集団は、インド旅行楽しんだ組の好例だった。

全員70代に近い関西人の男女10名ほどだったが、ツアー引率のノリのいい日本人添乗員さんともすっかり友達のように仲良くなっており、帰りの飛行機なのに、女性はまだ全員ビンディを額の真ん中に付けて(添乗員さんも)さらに現地で調達したらしきインドっぽい服装をしており、最後までインド旅行を楽しみ切っていた。

私は性格的に一匹狼で、集団でそういった遠足のような楽しみ方ができないたちなので、彼らのように、海外旅行における変なプライドもなく、ある意味”旅の達人”とも言えるくらい海外旅行を満喫している姿を、なんだかうらやましく感じた。

関空に着いた彼らは、家に帰ってインド旅行についてどんなことを語るんだろう。
「楽しかった。でもやっぱり外は臭かったけどな。道で牛歩いとったで」とか?

デリーで疲れ切っていた最初の2人組はどうだろうか。
コンノートプレイスで発していたのと同じ感想を繰り返すだろうか。

海外旅行を楽しむも楽しまないもその人の勝手だが、せめて海外旅行する時ぐらいは自国の物さしを捨てて、その国の面白いところやいいところを探して見る方が絶対に正しいと思う。

そんなことをデリーで思った。


2018年9月20日木曜日

【デリー】フマユーン廟でインドの未来に思いを馳せた話

フマユーン廟で写真を撮る若者たち

インドに行く前、デリーには正直期待していませんでした。

デリー出身の友人たちからも、インドの他の都市出身の人たちからも
「デリーは危ない」「女性は夜10時以降は出歩けない」「空気汚染やばい」など、色々な悪評を耳にしていたので、デリーにいいイメージをまったく持っていませんでした。

もともとインド旅行は、ムンバイ滞在が目的だったのですが、せっかくインドに来たのだし、首都くらい見ておこうと、2日だけ立ち寄ったのでした。

そしたら、意外と面白いとこでした。デリー。

デリー駅の側の道

なんだかんだ首都とあって、道路も整備されているところが多いし、ニューデリーの真ん中にある経済・ショッピングの中心コンノート・プレイスは、1933年にイギリスが18世紀のジョージア建築様式をもとに建てただけあって、一見する価値ある美しい建築物でした。

コンノート・プレイスの建物の一部


コンノート・プレイス近くの露天商

あと、デリーで有名な建築物の一つ、フマユーン廟が意外とよかったです。

フマユーン廟

16世紀後半、ムガル帝国第2代皇帝フマユーンの死後、亡き夫のために王妃が建てた霊廟で、タージマハルにも影響を与えたと言われる、インドにおけるイスラム建築物の傑作の一つです。

間近で見ると、紋様やディテールが美しい

平和な雰囲気の場所で、くつろげます

 こんな感じの庭が広々と廟の周りを囲んでいます

無駄に絵になるカップル

 お墓だけど、デリーの若者のデートスポット

美しい形

早朝に行ったのがよかったのか、人も少なく、世界遺産とは思えないほど静かで、牧歌的な雰囲気が漂い、廟の周りにある庭でしばしぼーっと寛いでしまいました。

デリーにこんな落ち着ける場所があるなんて。

あと、一番最初に載せた若者たちの集合写真ですが、旅行で来たインドの高校生くらいの集団で、それぞれモダンな格好の子もいるし伝統的な格好の子もいるところ、そして男女が交互に座っているところにとても今のインドらしさを感じて、インド旅行で一番のお気に入りの写真です。

この子たちがインドの次の世代なんだなーと、妙にインドの未来に思いを馳せたりして。

若者と世界遺産の組み合わせは、じわっとくるものがあります。

そんな感じで、フマユーン廟、デリー観光では、頭を空っぽにしたいとき、何かを感じたいときに実におすすめのスポットです。

2018年9月19日水曜日

インドののら牛

仕事に疲れた水曜日。もう限界けれどまだ来ぬ週末…の気分を表すのに最適なのが、インドの”のら牛”の写真。

ムンバイのストリート牛

インドにいる動物は、大事にされているが決して過保護にはされてないところが好きだ。

「牛はヒンドゥ教徒にとって神聖なものでうんぬん」

とは、日本人がインド初旅行時に初めて覚えるインドの常識基本編ではあるが
実際に目にするインドの街中の”のら牛”たちは
無下にはされていないものの、大してかわいがられてもいない。
よく言って放任主義だ。

牛はヒンドゥ教の神様の乗り物だったりするから
乱暴はできないし、でもたまに道路を塞いで邪魔だったり、なんか色々邪魔になったり。

そうやって、上の写真みたいに
木に繋がれたりしている。

この人生を諦めきったような表情よ…

パンジャブ州のアムリットサルで、夕暮れ時に目の前から
牛が2頭のっそのっそと歩いてきた時はさすがにびびったもんだが
基本、インドの牛は大人しい。何もしない。何も期待してない。まるで生産性がない。

でもその生産性も意識も高くないところに
そのどちらもを日々求められ切磋琢磨を続ける我々は、神に選ばれた存在的な意味を見出すのではないか云々、なんか無駄にインドの牛に神聖な意味をこじつけてみたりする。相当疲れているな水曜日。

生まれ変わったらインドの牛になりたい。


2018年9月18日火曜日

インドのスタンドアップコメディへの道

2年くらい前からインドのスタンドアップ・コメディが好きです。

このブログでも、いくつか書いていますが、
インド系カナダ人のラッセル・ピーターズをはじめ、インド系アメリカ人のアジズ・アンサリ、インド出身のヴィル・ダス、ケニー・セバスチャン、アビッシュ・マシューなど、メジャーからマイナーまで挙げると好きなコメディアンの数はきりがない。

インド系コメディアンとして世界一有名なラッセル・ピーターズ

このブログを始めた当初は、そんなインド系コメディアンへの愛を徒然なく語っていこう、世の中にインドのコメディアンの面白さを知ってもらいたい。

という根拠のない超前のめりの気持ちで、インド系スタンドアップコメディに関する記事をせっせと書いていました。

そんな中、日本に帰国。

周りは完全なる日本語環境で、日本語の文字を読む機会が圧倒的に増え
毎日日本人と日本の話題をするようになって
ふと冷静になりました。

そもそも、英語でコメディをみる習慣のない日本人が、インドのコメディを見るか…?

どんなに自分が面白いと思う物を紹介しても、その作品を面白いと思ってもらうには、相手にそれを理解できる言語能力があることが前提。

そんな最低レベルの常識がすっぽり抜けていたことに気づきました。

まず言語の壁、ですよね。

私は、決してお世辞にも英語が得意とは言えませんが
インドへのあり余る愛から、言語的な壁を知識でカバーしているところがあります。

また、英語で話してくれるならまだ百歩譲ってネタの面白どころは理解できますが、ヒンディになると普通にお手上げ。

となると、英語もインド訛りに慣れていない人、英語にそもそも馴染みのない人、いやそもそもインドって何?の人は、理解不能レベルになってしまうのがインドのコメディです。

いきなりのカルチャー・ショックにぶち当たりました。

いや気づけよ、という話ですが。

もともと、インドのスタンドアップを日常レベルで見ていた自分は
ニューヨークにいる日本人の中でも相当な変わり者だったということを
今更ながら実感しています。

ニューヨーク時代、週末インド人の友人たちとインドのスタンダップコメディを鑑賞し、覚えたての出身地ジョークでインド人をからかうことも日常茶飯事でした。

私は、そんなインドの中学生の放課後のような現場に、なんかよく分からない日本人として一人しれっと参加することで、そもそものインドのコメディを理解するだけの基本的な文化的背景や社会知識を吸収していたんですね。

日々の習慣って、自分の知らないうちに身につくものだ…おそろしい。

そんな訳で
自分自身の経験してきた環境を振り返りもせず、趣くままにインドのコメディを語っていた私は、帰国後6ヶ月目にして、インドコメディを日本語で紹介することの難しさにぶつかったわけです。

でも、そうやって徒然と書いてきましたが…
結局書くでしょうね私は、インドのコメディについて。

どんなに周りの人が興味がなくても、私のブログが誰にも読まれなくても好きなものは好きなので。

マーケティングもクソもなく。

そして今後の目標としては、現在英語字幕しかないインドのコメディアンの映像に、日本語訳をつけたいと思っております。勝手に。

これからも孤軍奮闘で、好きを続ける!

今のところ仲間は自分とインド人何億人かだけしか確認できていないので、誰か日本人で仲間になりたい人いたら、声かけてください。多分とてもびっくりします。

2018年9月17日月曜日

日本はインドへ片思いだったという話


親日っていう言葉がいつも信用ならないKumiです。

これ2015年4〜5月のEconomistが出したデータなのですが
「アジアの意見」と題して、左のグラフが、アジア8カ国が主要4カ国に対して好意的に思っているかどうか、また右のグラフが中国との領土争いについての関心の度合いを測ったものです。

左のグラフを見ると
まずパキスタンは圧倒的に中国に好意を持っている。超片思い。
それに対してインドへの好意は中国へのそれの1/3にも満たないですね。
まあ、独立以来争っているのでしょうがないか...

日本はというと
なに緑の線が飛び抜けている!誰だ緑は。インドか!
あれ?日本っていつからこんなにインドに好意を持っていたっけ。

そのわけは、残る灰色とオレンジにあって
それが韓国と中国なわけです。
比較をした時インドへの好意がものすごく高くなってしまっているからくりかなと。

私は個人的に中国へも韓国へも敵対心を持っていませんが
例えば、それらの国に好意を持っていない日本人が、三択の残る選択肢でインドを選んだっていうのもなんだか笑えてくるなと。

それに比べ、インドは。
日本と中国への好意は同じくらいです。
韓国への好意もそこまで差が開いていないですね。
つまりは、どの国もそこまで好意を持ってるわけでもないし嫌いとも言えない。
ザ八方美人。

国に対する好意じゃなく、その国がインドへ提案する案件ごとの条件だったり対応だったりで、好意をコロコロ変えるのがインド、というインドらしい頭の使い方が見えてきそうなデータだったりします。

インドは、自国の周りを中国、パキスタン、バングラデッシュ、ネパール、ブータンなど多くの国が取り囲んでいるので、外交上の好意の示し方は、細心の注意を払っているかと。

あと、インドの北方では、中国が自国の領土を主張して緊迫状態なのにも関わらず、右側のグラフで見ると、関心が大変高い人と、対して興味のない人/知らない人の割合が半々っていうのもおもしろい。

日本の常識の頭で考えても説明のつかない国...それがインド。

【Freehand New York】アーティストが集まるダウンタウンのホテル・フリーハンドニューヨーク

我慢できずにニューヨークネタです。
このブログは、インドネタオンリーにしようとしましたが、デリーのホテルの話を書いたあと、私の愛するニューヨークのホテルの話を書きたくて仕方なくなりました。

Freehand New York (フリーハンド・ニューヨーク)

フリーハンド・ニューヨーク。
この名前を口に出すだけで、胸がぎゅっと潰れそうなくらい切ない気持ちにさせられます。
私やばい人ですかね?
そうですね、本当に私はこのホテルに恋しているんだと思います。
こんなにホテルを愛したことはいまだかつてない!

ホテルの場所と周辺

Flatiron地区。私のかつての勤務地...!

このホテルのある場所は、マンハッタンのフラットアイロンと呼ばれる地区で、23丁目とレキシントンアベニューの交差する場所にあります。チェルシーとキップスベイの中間です。

雰囲気的には、インテリアショップやレストランなど30代以上向けの落ち着いた店が多く、ミッドタウンほど観光客でざわざわしてなく、ダウンタウンほど学生たちで賑わってもいない、ちょうど中間な感じで雰囲気のいい場所です。

近くにシェイクシャックの本店があることで有名な、マディソンスクエア・パークもあります。

ちなみに、デザインホテルで有名なAce Hotel (エースホテル)もこの近くにありますが、
そこは今あまりに観光地化してしまって、ロビーなど疲れた観光客の溜まり場なので、あまりオススメしません。

フリーハンドニューヨークの魅力

受付
このホテルの一番の魅力といったら、こだわり尽くされたデザインの良さ。
これに尽きます。


私がニューヨーク生活の集大成に泊ったKing room

机とか。ここで生活したい。

ホテルの内装、カフェ、バー、アメニティに至るまで、全てのディティールが
震えるほど格好いい。

2階のカフェへ続く階段。この階段のために死んでもいい...と思えるほど好きだ。

階段の壁にかけられた絵画など


日当たりがよく居心地の良すぎる2階のカフェ。アーティスト達と近所に住む家族がゆったりしたブランチを楽しむ雰囲気

ホテルオリジナルグッズも売っているセレクトショップも併設

カフェにあるバーも夜は盛り上がってます

先ほども触れましたが、私は2年間のニューヨーク生活最終日の記念としてこのホテルに宿泊したのですが、
その時、あまりにホテルのガウンの着心地がよすぎて、なんと自腹で買い上げるというハマりっぷりを見せました。

フリーハンドのガウン。
ホテルマンに「残念ながら新品が品切れだけど、中古だったら半額で出せるよ」と言われ、迷うことなく購入

ふわふわのスリッパもあったり

私実はここにすでに二回泊っているのですが、
二回行っても飽き足らないくらい、最高のサービスと満足感をくれるホテルです。



ちなみにお値段は、一泊25,500〜70,000円ほど。
決して安くはないですが、ニューヨークでいうとすごく高いという訳ではないレンジです。一応4つ星ホテルですので、従業員のサービスの質は高いです。




デザイン好き、ニューヨーク好きの方は、ぜひカフェだけでもいいので訪れてみてください!ますますニューヨークが好きになること間違いなしの空間です。
http://www.booking.com/Share-tzMVTJ