2018年10月1日月曜日

『アフリカ少年が日本で育った結果』と私とエイミーと



週末楽しみにしていた代々木公園のインド・フェスティバルが中止になっていた(正式な情報は知らないが、当日土曜日の公園で浮かれたインド人を全く見かけなかったので間違いない)のでこの6ヶ月間で唯一とも言える私とインドとの交流が立ち消えてしまった。

もう、私がNYで培ったインド魂はこのまま自然とフェイドアウトして行くのか。

寂しいのか、吹っ切れているのかよく分からない感情のまま、3年ぶりかに漫画を買った。


インドではなく、アフリカ少年の漫画。

作者で主人公の星野ルネ少年は、アフリカのカメルーン生まれで、幼少期に兵庫県姫路に家族で移住。

アフリカで生まれた少年が姫路で、関西特有のイジり(可愛がられ)を受けながら案外すくすく育っていく様を自身の経験を元に描いた漫画だ。

元々はTwitterに発表した漫画だが、数ヶ月で5万フォロワーがつくなど、大人気となり書籍化。

作者星野ルネ氏も、最近はタレントとしてテレビ等にも出演しているらしい。

とまあ、インドとは全く接点ないけど、素直に面白い漫画だったし、こういう漫画が売れている状況が普通に嬉しい。

特に、アフリカ生まれで、カメルーン人の母親の連れ子のため日本人の血は入っていないが、日本語ネイティブでインドアな漫画家、といった星野氏みたいな人物が、人気になる世の中は面白い。

ここで話題に出すのは野暮だとは思うが、最近セリーナ・ウィリアムズを倒して全米オープンで優勝した大坂なおみさんも、大阪生まれアメリカ育ちのハイチ人と日本のミックスというバックグラウンドにも関わらず、性格はシャイで感情表現も控えめ。普段の雰囲気は日本人っぽいのに、試合になると圧倒的なパワーを見せるというギャップがアメリカ人にも日本人にも大受けした。

New York Timesを始めとする海外の新聞のインタビュー記事でも、20歳の新星”Naomi”の素晴らしさはもとより、日本でこれまでアフリカ系の日本人がどういう扱いを受けてきたか、また日本での”ハーフ”への偏見などが必ずセットで論じられていて、その上で、その日本での人種の壁を打ち破る圧倒的存在感のNaomiという紹介のされ方だったのが、とても興味深かった。(いや〜よくご存知ですね!と言いたくなった)

話は脱線したが、大阪なおみさんの類稀なるキャラクターが日本人に巣食っていた外見の違いによる偏見を突破したように、星野氏のインドアx関西人xアフリカという最強のタグが「日本人で色々な形があるよね〜」と、ゆるやかに提示してくれているのはとても心地いい。

西荻窪でかの山田詠美先生も泣いているのではないか…。

そんなことを思った『アフリカ少年』読書記でした。
今日もインドネタなし!



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