2018年9月25日火曜日

ガネーシャと宗教と環境問題と

インドで祭りがある度に、環境汚染の問題がニュースフィードに上がってくるのはもう飽きた。

祭りが地球規模災害まで発展してしまうところが、人口の多いインドらしいっちゃインドらしい。



最近話題になったのが、このヒンドゥ教の神様ガネーシャのお祭りのニュース。
Ganesh Chaturthiとも呼ぶフェスティバルは、学問の神の異名も持つロード・ガネーシャの生誕を祝う祭りで、だいたい8月か9月に10日間にも渡って続く祭り。

今年は9月13日から行われた模様。
この半分象、半分人間の象人間ガネーシャは、一見、いやまじまじ見ても結構奇妙で怖い感じなのだが、インドの1000以上もある神様の中では、ダントツの人気を誇っていたりもする。

で、この祭りでは、ココナッツやお香、お花なんかのお供え物と、フェスらしくガネーシャの像を神輿のようにして担いで散々祝った後、クライマックスは、フェスのアイドルガネーシャ像の本体をなぜか海に沈める。

今回問題になったのは、その海に沈めたあとで。
岸に大量の魚や亀の死骸が打ち上げられたことだ。

原因は、ガネーシャの像本体に塗りたくられていた装飾に含まれる、有害な水銀や鉛などの物質。

大量の魚や亀の死骸が見つかったあと、人の手で、海に沈められたありえない量のガネーシャ像が一個一個運び出される光景は、とてもシュールであった。

インドは、前から空気汚染やら水の汚染やら、ゴミのポイ捨てやら、環境汚染のデパートであることは否定できないのだが、これが宗教の儀式と結びついているのが厄介で。

宗教は、インドの大部分の人口を占める貧しい人にとって、心の拠り所であるし人生の一部なので、外野が「環境に悪いからやめろ」と言ってすぐやめられるものでもないし。

最近は、インドのとても頭のいい若者たちの中で、環境問題への関心が高い人が続々と現れ初め、色々な取り組みや起業も生まれているけど、貧困と環境問題は切っても切れない関係で、13億人もの多様性を持った人たちの行動を変えるには、とてつもない時間と忍耐がいる。

…とまあ、すごく真面目な語りになってしまったけど、実際、メッキの剥がれた、薄汚れたガネーシャ像が海に沈んだり、汚染の元になったゆえ一体一体運び出されたりする写真を見て、めっちゃおもしろいと思ってしまった。

いや、実際、水銀が海に流れ出してるのは恐ろしいことなんだけど!

あの写真があんなに面白く感じなければ、私はこの話題に興味を持つことはなかったんだよ。

Source: AP

これがガネーシャ祭りのクライマックスです。


Source: Mumbai post Ganpati Visarjan

バシャーン

Picture: EPA/NATHAN G

すくっと

ゴミと化しても最後まで尊厳を失わない姿は、さすが神…
こんなん書くとヒンドゥを馬鹿にしてるって怒られそうだな。

インドの宗教は端的に言っておもしろいです。

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