2018年9月17日月曜日

【シク教徒の聖地】アムリットサルのゴールデンテンプル


京都の金閣寺は見たことがないですが、シク教の金閣寺なら見たことがあるKumiです。

2018年3月にシク教徒にとっての聖地(メッカ)、パンジャーブ州アムリットサルのゴールデンテンプルを見に行ってきました。

パンジャーブ州というのは、歴史の教科書でうっすら聞き覚えのある方はいるかもしれませんが、インド北西部に位置する農業が盛んな小さな州で、公用語はパンジャーブ語。

パンジャーブ人(Pubjabi) とシク教徒が州人口の約60%を占める、インドの中でもかなり特異な州です。

これがシク教徒のゴールデン・テンプルだ!

パンジャーブの歴史に触れ始めるとこれまた長い話になるのでここでは割愛しますが、重要なポイントとしては、1947年のインド独立時に、イスラム教徒の多い西パンジャブ(パキスタン)と、シク教徒やヒンドゥ教徒の多い東パンジャブ(インド)に州が分割されたということ。

また、シク教徒は、ヒンドゥ教徒とイスラム教徒が半数以上を占めるインドでは少数派にあたるため、インドでは社会地位的な部分で迫害を受けてきたという歴史もある、ということです。

ただ、少数派ではあるものの、教育を重んじる文化のため学歴の高い人が多く、インド政府や軍の高い地位についている人の割合も高いです。

そのため、昔から日本人にとってのインド人は「ターバンを巻いている人」という認識が強かったのも、対外国とやり取りをすることが多かった政府高官のインド人は、シク教のシンボルであるターバンを巻いており、そういったシク教徒と当時の日本人が接する機会が多かったからとも言われています。

アムリットサルの中心地からゴールデンテンプルに向かう途中の道

割愛する、と言いつつ結局語ってしまったのですが、パンジャブやシク教についてちゃんと書こうとすると、もっともっとあらゆる歴史や宗教的背景、実際に私がアムリットサルで見たものを書きたくなってくるので、また別の機会にしたいと思います。

シク教、奥深いんですよねー。私は個人的に好きな宗教です。

で、話を元に戻すと。

ゴールデンテンプルですが、シク教徒が人生で一度は訪れたいと願ってやまない聖地で、連日多くのシク教徒がこの地に大集合します。

ゴールデンテンプルまでの行き方




ゴールデンテンプルはアムリットサルの中心地に位置し、アムリットサルの玄関口Sri Guru Ram Dass Jee International Airportから車で約30分です。

インドのタクシーアプリOla(オラ)を使えば、空港のOla専用駐車場で簡単に車をつかまえることができます。
(2018年3月時点でアムリットサルではまだUberは営業してませんでした)


Olaは、インドでとてもポピュラーなタクシーアプリで、事前にクレジットカードを登録しておくと、降車後自動的にカード決済されますし、もしくは降車時に運転手に現金を渡す方法も可能です。

乗車時に運転手が自分のOlaアプリに、使用者のアプリに表示されたコードを入力してから出発する仕組みで、そのコードで目的地までの距離や乗車時間を測れるようになっているのでぼったくりの可能性がなく、安心して使えるアプリとなっています。

またちょっと話がそれてしまいましたが、
ゴールデンテンプルまで行くには、運転手に「ゴールデンテンプル」とだけ伝えれば間違いないかと思います。

外国人がアムリットサルに来る目的はまずそれしかないので、むしろ何も言わずとも連れていってくれるはず。。

運転手が「着いたよ」と言ったら、きっと上の写真のような広場が見えているかと思います。

「なんだゴールデンテンプルの目の前じゃないのか」とがっかりするかもですが、この広場をてくてく10分ほど歩いて行くと、ゴールデンテンプルの入り口に到着するので頑張って歩いて行きましょう。

ここから人通りが一気に増えて、ターバンか民族衣装の人、呼び込みの人だらけで騒々しくなりますが、くれぐれも気を引き締めて。。




この一面に広がる白い床が見えてきたら、ここがゴールデンテンプルの入り口です。

ゴールデンテンプル内では、靴を脱がないといけないのと、髪の毛はスカーフで覆う、女性は肌の露出がないように布で覆うというルールがあります。

靴は、入り口を通ったあと銀行の窓口のような受付があり、そこに預けるシステムになっています。
床は基本水で濡れているので、裸足になるしかないかと。

靴を預けるのに料金は不要です。
ただ、いくつかある受付がどれもものすごい人でごった返しているので、人をかき分けかき分け靴を預けに行くには結構な押しの強さが必要!

私はタイミング逃してうろうろしていたら、シク教の青年が代わりに預けに行ってくれました。ありがたかった...!



そして、ゴールデンテンプルに実際に足を踏み入れたんですが
この施設の中に入ると、なぜだか自然と涙が出てきまして。

私は無宗教ですし、シク教のこともそんなに詳しくはないんですが
何に泣けたかというと、そこにいる人たちの空気に触れて、なぜか込み上げるものがあったと。

祈る人、沐浴する人(この写真の池みたいなとこで!)、地面に平伏しながらゴールデンテンプルを拝む人、そしてその背景に流れるシク教の唄。

皆それぞれが、この聖地で、一生に一度しかないかもしれない、この地での自分と神様との時間を真剣に過ごしている。

すごく濃密で、むちゃくちゃ清々しい空気が漂っていました。

あーここであと一時間ぼーっとしててもいいな、と思うほど。

実際、2時間近くいたんですが。いや、一体私は2時間もここで何をしていたんだろう... 


とはいえ、ゴールデンテンプルその物の中には入りませんでした。

入りたかったんですが、ものすごい列とその行列に並んでいる大勢の人たちが皆異常に皆密着して並んでいたので。満員電車の乗車率120%くらいの感覚で。

 私がここに並んだら死ぬな...と静かに思ったので、やめました。

インドの電車を経験したことがある人にとっては、なんてことないチャレンジかもしれませんが。


という訳で、インド・アムリットサルのゴールデンテンプル。
1589年に建設された歴史ある建造物で、
シク教徒の献身的で勇気のある生き方がそのまま現れたような平和な寺院です。

インドであって、多くの主要な都市とは趣が全く異なる場所。
ぜひ一度訪れてみてください。

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