ムンバイにある美術館Chhatrapati Shivaji Maharaj Vastu Sangrahalaya
デリーの観光地コンノート・プレイスをぶらついていた時、その旅初めての日本人観光客とすれ違った。
30〜40代くらいの女性2人。腕には日焼け対策のアームカバー、帽子、首にスカーフにマスクと完全なる日焼け・公害対策。
インドで女性は肌をあまり晒しすぎない方がいいという文化を尊重した結果なのかもしれないが、むしろその2人の出で立ちから感じたのは「私たちはもうこの国の空気・匂い・人全てをシャットダウンしたいんです」と言う拒絶感。
それよりもその2人が私にとって大きな印象を残したのは、すれ違い様に耳にした会話だった。
その2人は、インド旅行にすでに疲れ切ったようで、相当参った経験をしたのか、「汚い、臭い、もういやだ」といった愚痴を、あの日本人女性特有の甲高く語尾の長い声で発しあっていた。
正直、目の前に同じ日本人観光客が歩いてくると思わなかったのか、知っていても全く問題ないのか知らないが、海外旅行で自分と同じ国から来た赤の他人の愚痴を聞くのは気分のいいものでない。
海外旅行は、確かに常に楽しい事ばかりではないかもしれないが、他人の家(国)でその国の悪口を吐くくらいだったら、来なかったらいいのにと思う。
あなたたちは何を期待してインドへ来たのですか?
ゴミ一つない町並?新鮮な空気?
いや百歩譲って愚痴くらいはいいが、ホテルの部屋とか他人に聞こえない場所でやって欲しい。それかせめて自分の国に帰ってから。どうせ短期間の旅行なのだから、その間くらい楽しもうぜ。
でもまあ、インド女二人旅は、インド女一人旅よりよっぽどストレス溜まりそうなので、そこには同情する。色々気遣いあったりするしね。愚痴を言い合うことで、なんとか長旅で生まれた2人の間の緊張感を和らげるっていうこともあるし。
それでも、外国でその国の人が理解できないと思って、公共の場で自国語で悪口を言いまくる姿は、私にとって数少ない嫌いなものの一つである。
実際にその国に住んでいて、色々経験した上で、文句があったり愚痴を言うのは分かる。
ただ、たった数日〜2週間くらいの旅行で、他国の悪いところだけ見て帰るのはどうなのか。
悪口って、それが外国語であっても感じる人は感じるものだ。なんか悪意あること言ってる雰囲気だなって。
そんな愚痴をその国の人たちがいる前で吐きあっている集団を見ると、外国人である私でさえ、じゃあ自国へ帰れよと言ってやりたくなる。
ゴミ一つ落ちていない道や地下鉄、安くて美味しいファストフードに魅力を感じるならば。
美術館の前の通り
その2人と対照的に、帰りのデリー〜香港〜関空便の飛行機内で見た、関西のおじさんおばさんツアー客集団は、インド旅行楽しんだ組の好例だった。
全員70代に近い関西人の男女10名ほどだったが、ツアー引率のノリのいい日本人添乗員さんともすっかり友達のように仲良くなっており、帰りの飛行機なのに、女性はまだ全員ビンディを額の真ん中に付けて(添乗員さんも)さらに現地で調達したらしきインドっぽい服装をしており、最後までインド旅行を楽しみ切っていた。
私は性格的に一匹狼で、集団でそういった遠足のような楽しみ方ができないたちなので、彼らのように、海外旅行における変なプライドもなく、ある意味”旅の達人”とも言えるくらい海外旅行を満喫している姿を、なんだかうらやましく感じた。
関空に着いた彼らは、家に帰ってインド旅行についてどんなことを語るんだろう。
「楽しかった。でもやっぱり外は臭かったけどな。道で牛歩いとったで」とか?
デリーで疲れ切っていた最初の2人組はどうだろうか。
コンノートプレイスで発していたのと同じ感想を繰り返すだろうか。
海外旅行を楽しむも楽しまないもその人の勝手だが、せめて海外旅行する時ぐらいは自国の物さしを捨てて、その国の面白いところやいいところを探して見る方が絶対に正しいと思う。
そんなことをデリーで思った。
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