そこの社員の多くは、東南アジアのどの支店に駐在してもいいが
インドだけは絶対に嫌だ、と訴えるらしい。
ムンバイの朝。遠くに見えるのは有名なRajabai Clock Tower (1869年)
まあ笑い話というか、駐在員あるあるですね。
日本人にインドの旅の話や、インドに住みたいといった話をすると、だいたい同じ拒絶反応が返ってくるので
全くその話を聞いても何も驚くことはないです。
人はそれぞれ自分の好きな場所、感覚のぴったりくる場所で暮らせばいいと思うので。
ムンバイの昼。海岸沿いの道は友人や恋人同士の憩いの場。
私も旅行でしか訪れたことがないので、本格的なインド生活の過酷さは知りませんが
でも、やっぱり日本人にとって、タイやインドネシアやベトナムなんかの東南アジアより
ただインドへ旅行するだけでもハードルが圧倒的に高いのはなぜでしょうね。
特にフィリピンやインドネシアなど
インドと同じくらい多国籍で、ギャングやテロ、誘拐のニュースもよく耳に入ってくるのに、インドほどイメージは悪くない。
フィリピンのセブ島やジャカルタ、バリなどは昔から日本人の人気の旅行先ですし。
外務省が出している海外安全情報によると
インドも他の多くの東南アジア諸国と変わらず危険度はレベル1。
インドの内陸部でレベル2の色になっている箇所がありますが
ここら辺りに日本人が訪れるようなインドの観光地や都市はないです。
なぜこの辺だけレベル2なのか確実な情報を見つけられてないですが、ちょうど4つの州の境に沿ってオレンジ色がかかっているので、隣州同士の争いが続いているんじゃないかという推測。ちゃんと現地の人に聞いてみたい。
ということで、治安だけ見ると
注意レベルは、インドも東南アジアも同じくらいですと。
でも、比較すると圧倒的にインドの渡航イメージが悪すぎる。
加工してないのになぜかビンテージ調に写るムンバイの埃っぽさ
で辿りついた結論。
インドのイメージが悪いのは、インド渡航者が、帰国後インドの旅の過酷さをエンターテイメント化しすぎたのではないかと。
いい意味でも悪い意味でも衝撃的に大きいインドの魅力にやられすぎて。
いい意味でも悪い意味でも衝撃的に大きいインドの魅力にやられすぎて。
70年代や80年代のインド旅行記には
今のインドよりおそらく数倍は過酷で原始的なインド風景が容赦ないリアリズムで描かれていて、その当時はバックパッカーたちのドラッグ体験記もお決まりで、刺激に飢えた読者がそこに日常にないパラダイスを感じて憧れたのも間違いなかった。
元祖バックパッカー旅行記。これに影響受けてインド渡航に至った人の多さたるや。
横尾さんのインドはまだ芸術的的視点があるからやさしいものだけど...
ねこぢるのインドはマジで容赦ない。閲覧注意。
実際、現在のインドよりよっぽど汚く牛やら死体やらで混沌としてたというのは正しいと思う。
加工なしでもビンテージ調に写ってしまう埃っぽいインド
インスタ映えの宝庫?
ただ、私が言いたいのは、2018年に女性一人でインドを訪れるのは、そんなに恐れおののくことではないということ。
私はニューヨークに約2年住んでいましたが、引っ越した当時は、マンハッタンの道端でブロックごとに出くわすホームレスの人々にかなりのストレスと恐怖心を持っていました。
実際にムンバイやデリーの道端で私に物乞いしてきた人の数でいうと
ニューヨークで毎日出くわすその数の方が余裕で倍はあります。
絶望的に道端で座り込んだり寝たりしているニューヨークのホームレスは、本当にそこで死にたえてしまうじゃないかと思うほど悲しく救いのない雰囲気を醸し出しているのですが、ムンバイの極端に貧しい人々は、スラム街の中のコミュニティで鼻歌歌いながら意外と普通に暮らしていたりします。
とはいえ、無責任にインド旅行は安全と言いたいわけではなく。
ただ言えるのはアジアだから貧しくて危険、アメリカやヨーロッパは安全できれいというイメージは今やもう崩れている、いや逆転しているところも多いので、正確な情報を一個一個見て判断していくしかないとうこと。
なんとなくイメージで怖がっていたら、もったいないですよということ。
夕陽が沈むアラビア海@ムンバイ。物売りもぽつぽついるが、私はここで30分くらいぼーっとしてても、なぜか一度も営業されなかった。お金がなさそうに見えたのか。
ムンバイのホテルから見た向かいのアパート
インド旅行のイメージがそろそろ過酷・自分探し系から脱出して、別のステージに移行する時期なんじゃないかな、と思う今日この頃。
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